当然のことなんだけれど、
反物は着物に仕立てた時に
最も美しくなるように
作られている。
例えば、この蝋彩染の着物のように。
オーダーを頂いた当初、
ご提案したのは
裾に向かって徐々に広がる
フレアワンピース。
でも、
曲線的なワンピースは
絵柄のカットも多くなる。
直線的な和服と違って、
曲線を見せるのが洋服。
それでも、あえて
着物から洋服を作るなら、
本来の美しさをできる限り
引き立てるものにするべきでは…
途中でデザイン変更をお願いし、
快く受け入れて頂いてできたのが
このソフトプリーツのワンピース。
黒無地に描かれた手描きの染めが、
まるで闇夜に浮かび上がる
竹林の絵画のよう。
後ろ裾には染め作家の銘、
背中には家紋も入れて。
紛れもない世界で一着に仕上がりました。
ありがとうございました。